美容コラム
「ジュベルックはやめたほうがいい」は本当?しこりを作らない4つの鉄則を医師が解説
この記事の監修ドクター
サクラアズクリニック天神院
院長 伊東 慶子
1999年 愛知医科大学卒業後、同大学皮膚科へ入局。2008年に日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得。2015年よりサクラアズクリニック天神院で勤務し、2017年より院長を務めています。
主な資格・所属
- ボトックスビスタ認定医
- ジュビダームビスタ認定医
- 日本皮膚科学会 皮膚科専門医
- 日本美容皮膚科学会 正会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
なぜ今、ジュベルックや肌育注射が不安視されているのか

ジュベルックは、ここ数年で急速に広まった肌育注射です。
導入するクリニックが一気に増えたことで、施術を受ける方も増えました。
一方で、PDLLAは「粉末を溶かして使う」という、ヒアルロン酸などとは異なる準備が必要な製剤です。
この準備の工程や注入技術にばらつきがあると、しこりなどのトラブルにつながる可能性があります。
つまり、問題の本質は単純に「ジュベルックという製剤」だけではなく、「誰が、どう準備して、どう注入するか」にあると当院は考えています。
数字で見るジュベルックのリスク
感覚だけではなく、まずは数字で確認してみましょう。
製造元VAIM社が公表している集計として、資料では以下の数値が示されています。
| 製品 | 副作用発生率 (製造元集計) |
主な内容 |
|---|---|---|
| Juvelook (真皮注入用) |
0.003% | 結節(しこり)・炎症・アレルギーなど |
| Juvelook Volume (皮下注入用) |
0.012% | 結節(しこり)・炎症・アレルギーなど |
※販売本数と副作用報告にもとづく製造元の集計であり、施術条件をそろえた臨床試験の数値ではありません。個人の安全性を保証するものではありません。
発生率は低い一方で、ゼロではありません。
ジュベルックでしこりができる3つの原因
原因① 水和・溶解が不十分なまま注入している
ジュベルックは凍結乾燥された粉末で、使用時に生理食塩水などで溶かします。
粒子に水分が十分に行き渡らないまま使用すると、粉がダマになり、そのまま肌の中に入ってしまう可能性があります。
これが、しこりにつながる原因のひとつと考えられます。
原因② 注入する層が浅すぎる
ジュベルックは、真皮の深い層への注入を基本として使用します。
表皮に近い浅い層に入ると、粒子が表面に出やすくなり、触れるしこりや凹凸として目立つことがあります。
原因③ 一か所に量が集中している
「たくさん入れた方が効く」というわけではありません。
一か所に多く入れると粒子が集中しやすくなるため、広い範囲に少量ずつ分散させることが大切です。
サクラアズクリニックが徹底する4原則「水和・攪拌・適量・適切な層」

上の3つの原因は、裏を返せば、施術する側の準備や技術によってリスクを抑えられる部分があるということです。
原則① 水和|「すぐ混ぜる」のではなく、まず水になじませる
ここが、当院が特に重視しているポイントです。
溶解液を加えたら、すぐに混ぜるのではなく、まず粒子に水分を浸透させる「水和」の時間をとります。
ジュベルックのPDLLA粒子は、多孔質の構造をしています。水分が内部まで行き渡ることで、その後の攪拌で均一に分散しやすくなります。
当院では、水和時間24時間以上を守ってから、次の攪拌工程へ進みます。
原則② 攪拌|メーカー指定の攪拌機で均一に
水和させた薬剤は、メーカー指定の攪拌機「ボルテックス」を使用して攪拌します。
手で振るだけでは、どうしてもムラが残る可能性があります。
当院では資料記載の基準として、10mLで30分以上の攪拌時間を守り、施術に使用しています。
予約時間に合わせて前もって準備を始めるため時間のかかる工程ですが、この工程を短縮することはありません。
原則③ 適量|肌の厚みと部位に合わせて調整
注入量は、肌の厚み、部位、目的によって医師が調整します。
一か所に集中させず、細かく分散させて注入することを基本としています。
初めての方は少なめの量から始め、肌の反応を確認したうえで、2回目以降の量を検討します。
原則④ 適切な層|浅すぎず、深すぎず
注入が浅すぎると、しこりや凹凸が表面に出やすくなる可能性があります。
一方、深すぎると、目的とする肌質へのアプローチが行いにくくなることがあります。
当院では、真皮深層(目安2.5〜3mm)を狙い、部位ごとに深さと針・カニューレを選択しています。
皮膚の薄い目の下と、厚みのある頬では、注入の仕方も変わります。
水和 → 攪拌 → 適量 → 適切な層
4つすべてを省略せずに行うことを、サクラアズクリニックでは重視しています。
ジュベルックとジュベルックボリュームの使い分け
ジュベルックには、真皮に注入するタイプの
Juvelook
と、皮下に注入してボリュームを補うことを目的とする
Juvelook Volume
があります。
粒子の大きさや適した部位が異なるため、正しく使い分けることが大切です。
| Juvelook | Juvelook Volume | |
|---|---|---|
| 注入する層 | 真皮 | 皮下 |
| 主な目的 | 肌質改善(ハリ・小じわ・毛穴・凹凸) | ボリューム(こけ・くぼみ) |
| 向いている部位 | 目の下・首など皮膚が薄い部位も可 | 頬・ほうれい線・こめかみ・手の甲など |
| 避けるべき部位 | まぶた・粘膜 | 目の下・鼻 |
万が一、しこりが出た場合の当院の対応

どれだけ丁寧に施術しても、体質などによって反応が出る可能性をゼロにすることはできません。
当院では、施術後に気になる症状があった場合に、院内で診察・対応できる体制を整えています。
施術直後の一時的なふくらみ
多くは数日で落ち着きます。必要に応じて、施術後のケア方法をご案内します。
数週間たっても残る硬いしこりが気になる場合
院内で状態を診察し、必要な対応を検討します。
気になる症状がある場合
自己判断で強く揉まず、まずは当院へご連絡ください。
※施術中・施術後に、いつもと違う強い痛み、皮膚が白くなる・まだらに変色する、見え方がおかしいといった症状がある場合は、様子を見ずにすぐ当院へご連絡ください。
当院の施術実績について
2023年10月〜2026年9月
約672件
資料記載上、修正治療を要する結節(しこり)の報告はありません。
ただし、これは今後もトラブルが起こらないことを保証するものではありません。
内出血・腫れ・赤みなどは一定の頻度で起こり得ます。施術前のカウンセリングで、リスクについてもご説明します。
ほかの肌育注射も不安な方へ
ジュベルック以外の肌育注射についても、SNSなどで不安の声を目にすることがあります。
肌育注射は、製剤ごとに成分や注入方法、得意とする悩みが異なります。
大切なのは、「どれが一番安全か」だけではなく、「自分の悩みと肌に何が合っているか」という視点で選ぶことです。
ジュベルックが適していない場合には、ほかの肌育治療も含めてご提案します。
ジュベルックを受ける前に確認したい5つのこと

クリニックを選ぶ際には、次の5点を確認してみてください。
- 溶解の際に、水和の時間をとっているか
- メーカー指定の攪拌機を使って攪拌しているか
- 注入する層と量について、医師が説明してくれるか
- ジュベルックとジュベルックボリュームを部位で使い分けているか
- しこりなどが出た場合に、院内で診察・対応できるか
サクラアズクリニックでは、カウンセリング時にこれらのポイントについてご説明しています。
ジュベルックに関するよくある質問
サクラアズクリニックのジュベルック料金
料金は税込表記です。
| メニュー | 料金(税込) |
|---|---|
| 初回 | 55,000円 |
| 1回 | 66,000円 |
| 3回コース | 165,000円 |
| 麻酔・カニューレなどオプション | 2,200円〜 |
未承認医薬品等に関する情報・治療のご案内
治療内容:
PDLLA(ポリ-D,L-乳酸)とヒアルロン酸を含む製剤を皮膚に注入し、肌質改善を目指す自由診療です。
費用:
上記料金表をご確認ください。
主なリスク・副作用:
内出血、腫れ、赤み、痛み、しこり(結節)、炎症、アレルギー反応など。
未承認医薬品であること:
本治療に使用するジュベルックは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない医薬品です。
入手経路:
当院医師の判断のもと、シンクスヘルスケアを通じて入手しています。
国内の承認医薬品等の有無:
同一の成分・効能で国内承認を受けた医薬品はありません。
諸外国における安全性等に係る情報:
ジュベルック(Juvelook)は、韓国の医薬品規制当局であるMFDS(韓国食品医薬品安全処、旧KFDA)から医療機器としての製造・販売承認を取得しています。
医薬品副作用被害救済制度:
未承認医薬品のため、万が一重篤な副作用が起きた場合も、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
