美容コラム
ドクター施術とナース施術の違いについて【美容クリニックの裏側】
近年では男女を問わず美容への関心が高まっています。肌の悩みは人によって様々ですが、その悩みを解決してくれる美容クリニックはありがたい存在でしょう。
美容クリニックによってはドクターが施術することもあればナースが施術することもあります。その線引きはどこにあるのか。
なぜ全ての施術をドクターが行わないのか、クリニックの裏事情も含めて説明していきましょう!
✓ドクターが担当する施術とナースが担当する施術について
✓ドクターとナースのどちらに施術してもらうと良いのか
✓クリニックの選び方
1.美容医療とは
まず、美容医療とは何かについて説明しておきましょう。
医療とは身体の悪い部分を治療して、正常な状態に持っていくことを言います。一方で、美容医療とは悪い部分の改善も目的ですが、美しくなるということに重きを置いています。
通常の医療が「マイナス」を「0」状態に持っていくことに対し、美容医療は「0」を「プラス」に持っていく医療と思ってもらえれば分かりやすいかもしれません。
1-1.皮膚科・美容外科・美容皮膚科の違い
肌の悩み相談として場合、皮膚科・美容外科・美容皮膚科に分けることができます。皮膚科は症状の改善を狙う医療であり、保険も適用されます。
それに対し、美容外科や美容皮膚科は外見の美しさを目的とした医療になります。美容皮膚科は脱毛やシワ、たるみ、しみ、ニキビなどの美容施術を、薬剤の注入やレーザー施術によって改善していきます。
美容外科も似た内容がありますが、美容皮膚科との大きな違いは手術を行うかどうかです。メスを使用した美容治療を行うのが美容外科で、切らない美容治療を行うのが美容皮膚科という認識で良いでしょう。
2.美容クリニックのドクターとナース
美容クリニックとは美容皮膚科や美容外科といった美容に関する治療を専門にしたクリニックのことをいいます。そこには当然ですがドクターやナースが在籍しています。
美容以外の医療機関ではドクターとナースの役割にはきちんとした線引きがあります。ところが美容クリニックではこの線引きがクリニックによって違うことが多々あります。
美容クリニックの中でも美容外科の手術業務に関してはドクターが全て担当します。ナースが手術することはありません。
ナース業務は雑務やドクターの介助がメインと思われがちですが、美容皮膚科のナースは、施術も行います。ナースが施術を行うには、医師の指導の元であれば法律的にも問題はありません。
美容皮膚科の施術で、ドクターが担当する施術とナースが担当する施術について説明していきましょう。
2-1.美容皮膚科のドクター施術
美容皮膚科では、ヒアルロン酸注射やボトックス注射など薬剤を注入する施術はドクターが担当します。また、レーザー治療でも高出力で火傷のリスクが高い施術に関してはドクターが担当することが多いです。
美容皮膚科のドクター業務としては、診察やカウンセリングを通して治療方針を決定すること、カルテへの記入、施術業務などがあります。
注入施術や高出力のレーザー施術はドクターが担当することが多いですが、それ以外の治療に関しては、指示を出してナースが施術を担当するケースがほとんどです。
2-2.美容皮膚科のナース業務と施術内容
美容皮膚科のナース業務は様々で、施術、ドクターの介助、カルテ記入、発注業務や清掃業務などがあり、場合によってはカウンセリングも行います。
その中でも施術に関してはクリニック毎に違いがありますが、脱毛に関しては全てのクリニックにおいてナースが担当することがほとんどです。それ以外にも、美肌施術のピーリングや低出力のレーザートーニング、美容点滴や美容注射などはナースが担当することが多いです。
高出力レーザーも医師の判断次第で扱うことが可能で、シミ取りレーザーもナースが担当するクリニックもあります。また、ナースは皮下注射や皮内注射、筋肉注射、静脈注射(点滴を含む)及び採血に関して、医師の指示を受けて行ってもよいとされています。
つまり、美容皮膚科の施術に関して、医師の指示や監督下であればナースは全ての施術を行うことが可能ということになります。
患者様の同意を得る必要はありますが、ナースが施術を行うこと自体は違法でもなんでもありません。とはいえ、安心感を得るために、ナースではなくドクターに施術を行ってもらいたいと思うことは普通だと思います。
ところが、ヒアルロン酸注射やボトックス注射はともかく、それ以外の施術はドクターよりもナースの技術が高い可能性があります。それについて詳しく説明していきましょう。
3.美容クリニックのドクター事情
美容クリニックの経営パターンはいくつもあります。ドクターが開業するパターンや分院パターンなどがありますが、開業した個人経営の美容クリニック以外ではドクター不足が起こることがあります。
個人経営の場合は開けるも閉めるも経営院長の自由ですが、分院パターンなどでは院長不在があり得ます。ドクター不在で診療するのは法律違反になってしまうので、非常勤ドクターを雇うことになるのですが、そのドクターの技術が低いことがあります。
クリニック側も技術の高いドクターを熱望していますが、そんなに都合よくドクターがいるわけでは無いので、未経験の非常勤ドクターを採用することが多くなります。そのドクターに技術を教えるのは院長、または常勤ドクターがほとんどですが、クリニックによってはナースが指導することもあります。
普通の病院では考えられないことですが、美容業界では結構あることです。それだけが原因ではありませんが、医師より美容に詳しいナースは実は結構多いです。
施術に関しても、ドクターよりナースのほうが内容を理解していることは多々あります。ドクターが施術を行うことが常に安心ではないということです。
最近流行りのアートメイクでは、ドクターは施術が行えずに診察だけ行い、施術はナースが行うというのが割と普通です。また、脱毛施術はドクターが行うことはほとんどありませんので、ナースとの技術差は歴然です。
3-1.ナース施術のほうが丁寧なケースがある
ドクターはトラブルが合った際に素早く最良の対応策を考えてくれますが、実際の施術はナースが行うことが多いのはお話ししてきた通りです。
そのため、ナースの経験値は高くなりやすく、ドクターが担当するよりもナースが施術を行うほうが丁寧な場合があります。人気の美肌施術であるダーマペンは医師が行うかナースが行うはクリニックによって異なります。
ダーマペンの場合では、基本はナース施術で、追加料金を支払うことでドクター施術に変更することができるクリニックにもありますが、これに関しては高確率でナースに施術を行ってもらうことがおすすめです。
追加料金を支払い、ドクターだから安心するかもしれませんが、ナースとドクターではナースの経験値が圧倒的に高く、ミスも少ないです。
ドクターがメインにする注入施術や高出力のレーザー施術はともかく、それ以外の施術はナースの技術が上だと思って間違いありません。ドクターよりも丁寧でミスの無いように施術してくれるのでむしろ安心でしょう。
個人経営のクリニックであればドクターの技術が高いことも多いですが、分院クリニックなどの非常勤ドクターとナースであればナースの技術が高いことを知っておいてください。わざわざ追加料金を支払う必要はありません。
おすすめとして、施術を行ったナースが丁寧で効果も良かった場合、ナースの名前を覚えておきましょう。次回の予約で名前を言えば、そのナースが付いてくれることがあります。ナース側にとっても嬉しいことなのでさらに丁寧な施術をしてくれる可能性もあります。
まとめ
ドクターが担当する施術は最初から何も聞かれずにドクターが担当します。ナース施術で用意されている施術に追加料金を支払ってまでドクター施術にするメリットはあまり無いので覚えておいてください。
大切なのはいかに患者様のことを見て施術してくれるスタッフかどうかがポイントで、患者様の悩みに寄り添うのであればドクターかナースかどうかは問題ありません。そんなクリニックを見つけ、気分良くキレイになってください!